佐久穂町立千曲病院

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TEL 0267-86-2360

長野県南佐久郡佐久穂町大字高野町328

植竹智義院長より新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。令和の時代に入り初めての年明けを、新たな気持ちでお迎えになったこととお慶び申し上げます。令和元年を振り返りますと、春から改元にともなう即位の礼などの厳かな、素晴らしい饗宴や祭典、豪華絢爛なパレード。先進的な現在においても、大和からの歴史を振り返ることができた、日本人でいることを誇らし思う感動的な尊い日々でした。

 その一方で、消費税10%に増税された秋以降には、自然の力、そして社会の力に翻弄された大きな出来事が佐久穂およびこの地域にありました。自然の力に翻弄されたのは、10月12日夜からの台風19号の襲来。一晩だけで平均年間降水量7.3ヶ月分の豪雨はまさに経験のない、想定外のことでした。まだまだ復興なかばであり、春以降の農作物、林業への被害などが予測されています。安息の空間であった住まいや大切な財産をなくされ、今も不自由な毎日を送っておられる皆様にどうか健康に留意され、一早い住居や生産の場の完全なる復旧復興を心から願っております。

 社会の力に翻弄されたのは、9月26日、厚生労働省から「再編・統合の提案」対象の公立、公的病院424病院が突然の公表です。当院も含む全国の大部分の中小病院が名指しされました。「少子高齢化のピークを迎える2025年」へ向けての地域医療構想ですが、評価された病院は、遠隔地・過疎地に立脚する地域住民の生活の一部の病院であり、日々の医療・福祉・介護を行いながら、将来の機能集約や縮小を今に求められる困難な課題です。農家などの一次産業は地域に点在し、地域創生は一極集中では不可能です。町内唯一、南佐久郡2つしかない病院のひとつとして、継続した努力は必須です。外来の専門医化も更に進め、佐久平の大倉俊雄先生による皮膚科外来を1月より開始します。アレルギーだけではなく本当に悩み多き分野です。また町民の健康問題である糖尿病の専門性を進め、佐久総合病院大橋正明先生により毎週木曜日の外来を4月より開始する予定です。

 2020東京オリンピックでは選手の躍動に我々も感動するだけでなく、自分も鼓舞するチャンスになります。今年、千曲病院が昭和大学より移管され50年を迎え、記念行事として11月15日に病院祭や祭典を予定しております。「ありがとう50年、これからも半世紀」の気持ちで、みんなワンチーム笑顔でお迎えしますので、多くの皆様のご来場をお待ちしております。

 12番目最初の干支は「ねずみ年」、「子」は胎児であり物事の始まり、可能性や変化にもつながり、繁栄をもたらす「富の象徴」のです。干支の順を決める競走で先頭の牛の背中に隠れていたねずみ。ゴール直前に背中から飛び出し1位となった、ずる賢いイメージもありますね。細分すると「庚子(かのえね)」、やはり「変化多き年」です。良い事はさらに進め、悪い事はチャンスと変えることで前向きに進みます。

 この年末年始にはインフルエンザ感染が佐久穂町まで流行し、多くの患者さまが受診されました。丁寧で速やかな診療を心がけていますが、ご迷惑をおかけすることもありました。ここに院長としてお詫びさせて頂きます。

 うるう年366日ある今年、皆様にとりまして幸せ多き、また健康な一年でありますように祈願いたしまして、新年の挨拶といたします。

令和2年1月吉日  佐久穂町立千曲病院 院長 植竹智義