佐久穂町立千曲病院

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TEL 0267-86-2360

長野県南佐久郡佐久穂町大字高野町328

院長より新年のご挨拶

 新年あけましておめでとうございます。3年ぶりの行動制限の無い2023年まさに晴れ晴れとしたお正月を、新たな気持ちでお迎えになったことお慶び申し上げます。私も施設から外泊許可された父親とゆっくりと贅沢な時間を過ごすことができました。

 去年を振り返りますと、2月からのロシアのウクライナ侵攻によって世界中の状勢が大きく変わった1年でありました。良好であった世界の均衡が崩れ、食料品、燃料などの必需品の高騰に日々悩む生活に直面することになったのです。

これからの「新型コロナウイルス感染症」

 さらに残念なことに「新型コロナウイルス感染症」が4年目を迎えてしまいました。昨年の挨拶で「歴史的に、スペイン風邪やMARSなど2~3年で世界的流行(パンデミック)は収束し、やがては風土病あるいは季節的な一般的感染症として普遍化されるのが学問的にも常識です。」と書かせていただきました。その後、わが町のワクチン接種率も12月26日で18歳以上3回目以上の79.13%と良好ですが、秋からの第7波、そして第8波となり感染者数は高止まりの状態が継続しています。世界的にも社会経済的活動をもう止めることはない流れの中で、アメリカでは新規株が確認され、また中国では3年前のふりだしに戻るような感染爆発となっています。感染収束がしばらくは困難になり、今年からは「新型コロナウイルス感染症」とのつきあい方をふまえた生活が必然になります。

 千曲病院では、町の医療・介護・予防・福祉さらに感染対策の強化継続を5つ目の地域基盤の責務と考えます。4月からは指定感染症2類からインフルエンザ並みの5類へと扱いが変わると予想されます。そうなると、全てが公費扱いであったワクチン接種や治療費が一部自己負担となり、受診控えや診断遅れも増えるでしょう。ですから皆様の「新型コロナウイルス感染症」に対するさらなる意識向上と予防がより大切になっていきます。町の集団接種は終了しましたが、病院での個別接種は当面継続しますのでお早めの接種をお願いします。

来たる2040年にむけた千曲病院再構築

 いずれ訪れる17年後の2040年には、少子高齢化の日本が大きな変換点=ターニングポイントを迎えます。2025年には団塊の世代が75歳となりますが、やがて2040年は少死の時代に突入し、長期的に日本が安定期になるのです。どの産業分野でも今からの準備開始が急務で、さきに東京都は2040年代を見据えて15兆円規模の危機管理強じん化を発表し、首都高速道路も2040年までに完全再建される予定です。厚生労働省から3年前にてこ入れされた「地域医療構想」も2040年の安定した医療像をゴールとしています。今後、佐久広域での医療拠点の減少も予測されていますが、当院では保健所、佐久総合病院、浅間総合病院、大学病院等と良好な連携強化を保ちながら医療体制を維持できることを確認しています。新体制のひとつとして、3月に稼働するMRI検査があります。MRI検査は脳をはじめとする様々な部位に適用があります。現在MRI検査の患者さんは、他施設に行って検査を受けていただいておりご不便をおかけしております。導入された際には、来院する患者さんの病気や痛みの原因をみつけ適切な治療、治癒に繋がる新たな手段となれば幸いです。脳ドックなどにも活用を模索中ですのでご期待ください。また長期を見据え、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など専門職増員や各科専門外来の見直し再構築をおこない強化していきます。

2023年4月より稼動するシーメンス社MRI(イメージ)

 

2023年は癸卯の年で、「癸」と「卯」の組み合わせから、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年になると考えられます。感染症と共存しながらの生活を再構築し、そして飛躍する年となります。皆様にとりまして幸せ多き、前途が開ける一年でありますように祈願いたしまして、新年の挨拶といたします。

 

令和5年1月4日  佐久穂町立千曲病院 院長 植竹智義