佐久穂町立千曲病院
長野県南佐久郡佐久穂町大字高野町328
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長野県南佐久郡佐久穂町大字高野町328
佐久穂町民の皆様、新年明けましておめでとうございます。以前の雰囲気に戻りつつある令和7年のお正月を、新たな気持ちでお迎えになったことお慶び申し上げます。
2025年の乙巳(きのとみ)の年は、多くの人にとって成長と結実(ケツジツ)の時期となります。「乙」は未だ脱皮を繰り返す発展途上の成長過程・再生を表し、「巳」は植物が最大限まで成長しきった状態を意味します。この組み合わせはなんとも半端にも思えますが、これまでの努力や準備が充分に実を結び始める幅をもった時期と考えたいです。
年末には、例年になく多くの患者さんに「年とったから1年が、わけねエ~。」と言われました。「年齢で何もやってないのにもう終わり?」と。訳なくの本来の意味は、1,「 簡単である。めんどうなことがない。」2,「たわいないこと。」ですが、そこから慣用的に『時間が過ぎるのが早い』と使われているようです。診察中に良く聞いてみると、皆様の生活がコロナ禍以前に戻り、必要としている営みが一気にスムーズに再開し、かつて以上に生活が充実し、多くの仕事に積極的に参加されていることがわかります。高齢で何もできていない、だから早い・・・とんでもない間違いです。それからは、「わけねエ~。」の一言は、充実した生活を反映し、心身ともに元気であった結果に聞こえます。多くの方が素晴らしい1年を過ごす事が出来たと感じました。皆様は、どのように過ごされましたでしょうか?私も、それはとても「わけねエ~。」1年であり、やりきった充実感とともに、これからもワクワクしています。
最近100年に一度のことが多すぎます。急速な自然環境や、社会構造の変化でわれわれ地域の立場、存在意味を意識することが多くなりました。ここ数年で、新しい働き方や価値観が次々と生まれ、時代変化を感じるようになった方も多いことでしょう。確かに、個人の生活は以前の状態に戻りつつあります、その一方で急に変化していることも多く、守るべきモノと変化するモノの意識が重要です。自然環境では、地球温暖化からの何年に一度といわれる猛暑や大雨。もはや異常気象という言葉もニュースで忘れるほど頻回です。世界情勢は、ここ20年間で戦争や民族紛争によりこれまで前提としてきた国際秩序も危機に瀕しています。国内経済では、12月には突然に日産とホンダとの経営統合に向けての交渉が開始。背景には、主産業の自動車業界の100年に一度の構造転換のきっかけであるEVシフト、電気自動車化への対応の遅さ。ものつくり大国日本の失策があります。医療分野でも、医療DX化、AI診断、ICT情報ツールの診療など、目まぐるしい勢いで時代や物事が変化し、正に「疾風怒濤」な世の中です。
2025年千曲病院はどう「結実」するのでしょうか?
昨年は体制強化も一段落、「飛躍」できた1年でした。整形外科、全身麻酔下脊椎手術の再開や、総合診療、小児科、脳神経内科、眼科、皮膚科をより充実した体制にすることもできました。救急医療においては、日勤時間帯の救急体制を厚くすることにより、従来以上の要請に応えます。『地域の人たちに信頼され、愛される病院』の理念を持ち、少子高齢化のなかでも外来患者数は増加しています。2025年は団塊の世代が75歳になり、人口の2割が後期高齢者となる、医療の節目の年と言われています。それぞれの地域住民の方に『寄り添う』診療体制の継続、これこそがこれからも千曲病院の守るべきモノです。
国内では大阪万博が4月から半年開催され、そして8月には日本の太平洋戦争終戦敗戦から80年の節目の時を迎えます。
年末からは、インフルエンザが危険な勢いで拡がっていますが、佐久穂町のみんなでコロナ禍以前の喜びを今年も共有できますように、そして明るく「結実」する一年でありますように祈願しまして、新年の挨拶といたします。
2025年1月吉日 佐久穂町立千曲病院 院長 植竹智義